クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)および変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)患者の存在や、ヨーロッパにおけるBSE感染牛の増加、感染性蛋白である異常プリオンについて明らかになるにつれ、輸血や血液製剤の安全性について議論されるようになりました。これはヒトからヒトへの感染、即ちクロイツフェルト・ヤコブ病をまだ発症していないヒトの血液を輸血することで他のヒトに異常プリオンを伝播し、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症させる危険性が問われたからです。では、本当に血液からクロイツフェルト・ヤコブ病は感染するのでしょうか。
 
CJDやvCJD患者の血液からは異常プリオンが検出されていないことから、血液を介した感染のリスクはきわめて低いと考えられてきましたが、2003年12月に、英国で輸血を介した感染が疑われる患者の例が報告されました。
1996年3月、当時健康だった供血者が献血し、その血液で製造された赤血球製剤が、外科手術で大量出血した患者に輸血されました。
供血者は、献血の3年4カ月後の1999年にプリオン病を発症して翌2000年に死亡、病理検査によりvCJDと確定診断がなされています。
一方、患者は輸血から6年半後の2002年秋にプリオン病を発症し、2003年秋に死亡しました。
英国の研究チームはこの例について、輸血により感染した可能性が高いと結論づけています。
献血を介したvCJD感染が疑われた症例
白血球が感染に関与か
英国では、vCJDの感染に白血球が深くかかわっている可能性があるという報告をもとに、1999年からCJDの感染を予防する目的で、輸血用血液製剤の貯蔵前に白血球を除去することが義務づけられています。
なお、血漿分画製剤では、これまでにCJDあるいはvCJDが感染したという報告は1例もありません。
参考:最近の動物実験(2000年Lancet)




 
         
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